折り紙ギャラリー☆おりがみ広場

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折り紙の本ピックアップ

以下は、絶版の本や手に入りにくいものも含めて私の印象に残った本です。

 折り顔 
松尾 貴史 著(1994年、株式会社リトル・モア、2,000円) 134ページ、ISBN4-947648-14-17
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タモリ/筑紫哲也/渥美清/黒柳徹子/森雪之丞/井上陽水/小森和子/ウルトラマン/きたろう/笑福亭鶴瓶/ダリ/山下達郎/佐野史郎/ヨーダ/山口百恵/高田文夫/ひさうちみきお/森毅/秋山仁/E・T/久本雅実/角掛留造/桂米朝/林家三平/柳家金語楼/桂枝雀/古今亭志ん生/村山富市/河野洋平/小沢一郎/金丸信/細川護煕/ビル・クリントン/ジョージ・ブッシュ/ゴルバチョフ/エリツィン/モアイ像/大黒天/恵比寿/布袋和尚/弁財天/寿老人/福禄寿/毘沙門天/烏天狗の45作品。
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見開きの右頁にエッセイ、左頁に完成写真。折り図は基本的に掲載されず、用紙のみ記載。付録として、対談「顔について」ナンシー関×松尾貴史。

折り図のあるのは、ウルトラマン/金丸信/ヨーダ/ブッシュ/渥美清/小沢一郎/久本雅実の7作品。
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似顔絵を折り紙でやったらどうなるか、ということに対するひとつの回答の書。似顔絵だから単に写実的に似せてもつまらない。単純化とデフォルメが命だ。センスが要るので、誰にでもできる芸当ではあるまい。どの作品も、折り紙版似顔絵にふさわしい愉快な表現になっているのは、さすがだ。

松尾貴史さんは、1984年に「キッチュ」の名で「ものまね」芸でデビューし、1989年に現在の名に改名した芸人さん。大阪芸術大学デザイン学科卒らしいから、折り紙のようなクラフトも素人ではないのかもしれない。

出来上がり写真から想像するに、折りの工程そのものはそれほど複雑ではないようだ。私のサイトで言えば、河合豊彰さんの面と布施知子さんの面の中間的な複雑さだろう。

折り図が公開されたら、楽しい折り紙の本になるだろうな。町の図書館で閲覧。(記 2003.09.01)

 動物の折り紙 レディブティックシリーズno.940
奥田 光雄 著(1995年第1刷、ブティック社、890円) 82ページ、雑誌コード69626-40
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折り方図の記号と見方/かぶとの基本形から折る/折り鶴基本形から折る/
かたかけ基本形から折る/魚の基本形から折る/ふうせんの基本形から折る/
正方基本形から折る/二連折り鶴基本形から折る/その他の基本形から折る
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この種の一般読者を対象とした本の割には、中級レベルの折り上がりの恰好のいい作品が載っているので、おもしろく利用した。私(yoshi)にピッタリのレベルだ。特に二連折り鶴の基本形を使った長方形からの不切一枚折りの作品はなかなかいい。「奥田光雄作品の広場」にそれら含めて展示しているので、見てほしいが、出来上がりがリアルな割に、折り方はすっきりしていて無理がない。よく考えられている作品だと思う。著者は、埼玉県在住の方で、創作折り紙歴30年と著者紹介にあった。 雑誌だからか、この本も出版カタログからは消えている。図書館で閲覧。(2003.05.19)

 創作おりがみ おりがみ創作の原理とその過程を詳解
大橋 皓也 著(1988年 第2刷、美術出版社刊、 2200円) 127ページ、ISBN4-568-32040-2
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はじめに
1.おりがみについて おりがみのこころ / おりがみとは何か / 創作とは何か / おりがみ記号と名称 / 基礎技法の図解
2.基本形を確実に 1.肩かけ基本形 / 2.折り本基本形 / 3.凧形基本形 / 4.正方基本形 / 5.風船基本形 / 6.鶴の基本形 / 7.蛙の基本形 / 8.ざぶとん基本形
3.オリガミ・ツリー オリガミ・ツリーについて / オリガミ・ツリーNo.1〜No.8
4.創作おりがみの展開  1.肩かけ基本形からの展開 / 2.折り本基本形からの展開 / 3.凧形基本形からの展開 / 4.正方基本形からの展開 / 5.風船基本形からの展開 / 6.鶴の基本形からの展開 / 7.蛙の基本形からの展開 / 8.ざぶとん基本形からの展開
日本折紙協会について (著者は日本折紙協会の重鎮のようだ。)
おわりに
索引・用語解説
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自作の紹介・展示よりも、折紙作品創作へのプロセスをあきらかにするために書かれた特色ある本。折紙を「模倣」という批判から解放するためには、どうしても創作の道筋を明らかにしなければならないと、著者は考えた。でないと、特に教育現場では、「模倣でないおりがみ」を教え・学ぶことができない。その試みとして、オリガミ・ツリー(系統樹)というものを提案している。
 
当時の時代背景が影を落としているのだるう。私(yoshi)には、折り紙をそこまで教育的に考えなければならない理由が今一つしっくりこないが... 学校で教えるものはすべて教育的でなければならないのだろうか? 単なる遊びではいけないのかな、と思ってしまう。そうか...単なる遊びとすると、ビデオゲームやゲームボーイと区別がつかなくなってしまうわけか。ならばそれらも学校で教えるべし、と言い出す人がいるのかな。
 
確かに、子供らの教科書を見ても折り紙の記載はほとんど見られない。私自身の学校生活を振り返っても、折り紙を学校で教わった記憶がない。確かに折り紙は、学校現場では白眼視されているのかもしれない。

それはともあれ、しばらく他の人の作品を折った後には、自分も何か創作してみたいと思うのが人情だ。そのための導入ガイドがあってもいいだろうが、その種の本は非常に少ないと思う。その意味で貴重な本だろう。

「おりがみとは何か」のところで、「よいおりがみ作品とは」という項目をたてて、「折り順が規則的でわかりやすく、折り方にむだがなく、折った線、折り込んだかたちが、完成された作品のなかにすべて生かされていること、それに完成した作品がうつくしいこと」といっている。嫌われることとして、むだ折り(整理されていない折り方)、かくし折り(構造的に見て機能していない余分な折りしろが隠されている場合)、ぐらい折り(目安のない折り方。折り図の通りに折れば、誰でも同じような作品ができることが大切。)をあげる。紙の大きさとしては、15cm内外を推奨。
 
オリガミ・ツリーというものを私も折って、このサイトに紹介するのもおもしろいかもしれない。
 
この本も、今では手に入らない。我が町の図書館で閲覧。(2003.04.19)

 純粋折り紙
内山 興正 著 (1979年初版、国土社刊、5000円) ISBN: ?
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口絵8点 / はしがき / 主要基本図系統表Aの部 / 主要基本図系統表Bの部

第1部基礎研究篇
[一]折り方技法の研究 (基礎的な折り方を作品の実例で説明する。33作品。)
[二]基本形について (主要基本図系統表の中の後半部分についての詳しい折り方を説明。)

第2部 本篇 (主題別に作品の写真と折り方が掲載されている。)
[一]とり 9作品 / [二]水の中の動物 8作品 / [三]はな 3作品 / [四]ひと 6作品 / [五]猿ヶ島 猿3作品 / [六]動物園 11作品 / [七]たてもの 10作品 / [八]くるま 5作品 / [九]ふね 3作品 / [十]おひなさま 6作品 / [十一]十二支 11作品 / [十二]宇宙 7作品

(ところどころに、「ノート」と称する折り紙エッセイがちりばめられている。)

ノート1 折り紙の本のおもしろさ (折り紙を折るときは「できるはず」という確信をもって臨むことが肝心。本のできあがりと違っても、おもしろいものができていればそれでよい。折り紙は自由を楽しむ遊びなのだ。)

ノート2 用紙・イロガミについて/紙の大きさと厚みについて (できるだけ小さな紙で折って、紙に重なった厚味が出てくるところに、折り紙としての味が出る。大きな紙で練習し、小さな紙で折れ。)

ノート3 「ほどほど折り」について (キマッタ位置の折り線がなく「ほどほどの所」で折る」こと。伝承作品にはこれがなかったので創作の余地がなかった。今は、キマッタ折り目で基本形をつくり、その後「ほどほど折り」で創作する。)

ノート4 ものをみる目 (造形感覚とは、「他ではありえない、いかにもそれである所」をとらえる目。)

ノート5 紙を裂かずに折る法 (ちぎれやすい箇所は最初から折り目をつけないか、控え目にに折ること。)

ノート6 「よい作品」について (飽きがこない形と折り方を作りだし、いつまでも折り伝えられる作品を創り出すことが最高のよろこび。) 以上、カッコ内はyoshiによる要約。
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著者の言う「純粋折り紙」とは、不切正方形一枚折りのこと。今では当たり前の約束事にも思えるが、刊行当時、折り紙をこのように大人も楽しめる遊びとして提起したことはかなり思い切った主張だったようだ。ただし、紙としては市販の十七、八センチ四方のイロガミを使って豊富な色彩を楽しみたい、としている。従って、高度に複雑な作品は掲載されていない。その作品は、このサイトでもいくつか展示しているのでご覧下さい。

折り紙に対する著者の愛情と、新しい折り紙の世界を開拓せんとする気概が伝わってくるすばらしい本。しかも、驕(おご)りも衒(てら)いもない姿勢が感じられ、読んでいて心が平安になる。易しい作品にも気持ちがこもっている。

折り彦は、前から気に入っていた本だったが、正直なところ私自身は、モノクロ写真ばかりの古く地味なこの本の魅力がよく理解できなかった。最近、自分でも少し折るようになって改めてこの本を見たとき、良さがわかった。手を使うことが、頭での理解を助けたのだ。手と頭はつながっている。

わが町の図書館で閲覧できる宝物のような本である。絶版なのが残念だ。 (2003.04.10)

 SERES DE FICCION -- EL LADO OSCURO DE LA PAPIEROFLEXIA --
by Mario Adrados Netto & J. Anibal Voyer Iniesta (2000年、スペインEditorial Salvatella社刊) ISBN: 84-8412-081-3

神話の空想動物を中心に24作品。加えて、この「昆虫の広場」で展示している「スズメバチ」の折り図も付録として付いている貴重な本。スペインの出版社なのでAmazon書店では買えない。月刊「おりがみ」に広告が掲載されたので購入。易しい「Troll」から、超複雑な「三頭龍」「龍に乗る勇者」「ほうきに乗る魔女(第6回折り紙探偵団コンベンション折り図集に掲載)」などを全て不切正方形一枚折で作る。スペイン語なので本文は読めないが、もともと折り図に説明が少ないので何とか折れる。でも、難しいので折り彦が成功した作品は少ない。折り紙の世界は広いな、と思わせる。折ってみたい作品が満載で、持っていると幸せになれる。中級以上の人にお勧め。(2003.02.16)


 おりがみ 動物アルバム
川村 晟(あきら) 著 (1988年、京都書院刊) ISBN4-7636-3078-4

動物を22作品。かなり前に買って、あまり活用していなかった。最近、見直してみると特徴のあるおもしろい本だった。不切長方形の紙から、まとめ折りを駆使して動物の尾・脚・頭部を折り出す独特の技法を創り出している。他の創作折り紙とはかなり異なるアプローチだ。折り図は非常に簡単にしか描いてない。最も複雑なものでも10工程という簡単さだ。「まえがき」には、竹川青良先生の逸話として、戦争中に行軍しながらでも折っていたという話が出ており、感動。技法の特異性から、折り彦はそれほど熱心に折らなかったが、応用が利きそうなので私(yoshi)は興味をもった。これから活用していきたい。現在、品切れかもしれない。(2003.02.16)



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